25日、木曜日。
昼にご連絡頂き、「じゃ、夕方来てくれる?」。
出た。久しぶりの緊急招集。
「いやです。遠いもん」とは口が引き裂かれてもいえぬので
午後1時半の新幹線乗って一路、品川へ。
お言いつけどおり午後5時キッカリに渋谷着。
で、「オトコマエ!2」最終回打ち合わせ、2時間!!はやっ!!
そのまま帰ろうと思えば帰れたが、どうも腰が落ち着かないので
新宿へ。役者の山本卓に連絡したら、アルタで芝居見てるという
ので、出てくるまでサウナ入ってメシ食って、午後11時前に落ち合う。
26日は午前10時に近鉄南大阪線「道明寺」駅前集合である。
泊っていけばいいじゃないですかと山本に言われたが、
新幹線の始発に乗って帰っても、10時にはちょいキツイので
午後11時40分発の深夜バスに乗ることにした。
さすが閑散期。2階建てバスの1階はオレ以外、乗っていない。
お大尽気分で2シート独占、完全大の字状態(微妙に
身体、曲がってたけど)で爆睡。
しかし、朝方起きたら、隣の列のシートにいつの間にか
おっつあんが座ってて、ビクッた。
あんまり空いてたので、2階シートの客が夜中のうちに移動してきてた
らしい。寝込みを襲われた生娘の気分であった。
本日は、大阪市立長谷川小・中学校での「演劇鑑賞会」である。
先週の和歌山県、近畿大学付属新宮中・高校から1週間。
久々に訪れた学校公演の締め、6月に固まって
こなしてきた小商いシリーズのラスト公演でもある。
近鉄南大阪線なんて、馴染みないよなあ。
午前10時ちょい前、無事に到着。
のどか極まりない土地柄である。
前夜まで歌舞伎町でギラギラだったから
落差があり過ぎる。

駅前で一人待ってたら濱口秀二と合流。
まだ誰も来てないので、しばし駅前の商店街を散策。
少しして村上泰児、花田サキ(ダンサー)と合流。
もう一人のダンサー、舟津さなえが遅れてるので
いかにも地元の寄り合い所みたいな喫茶店で待つ。
壁に「となりの人間国宝」のステッカーが
貼ってある、なかなかレアな店であった。
この店、円広志が来たんだな
(関西テレビの番組の企画でそういうのあんのよ)。
・・・が、なんとさなえが一時間、遅刻。
なんだ。始発で帰ってくりゃよかったよ。
午前11時、長谷川小・中学校、着。
ここには3年前にも来たことがある。今回とは別のネタだったが、
濱口も一緒だった。
到着すぐ、会場の体育館へ。

先週の新宮中・高校の体育館よりもやや小ぶり。
新宮では観客の生徒数が400名だったが、ここは
小4〜中3までの30名ほどである。
しかし音響システムはやっぱり先週と同じで、
CDデッキの音を直接、ワイヤレスマイクで拾うという
超絶技である。

普通の「学校演劇鑑賞会」ってのは、それこそトラックに
道具や機材詰め込み、相当な予算も取って大掛かりに
するもんなんだけど、オレが受けてるのは完全に
「落語会」程度の予算である。なので照明も道具も一切なし、
少人数でほとんど身ひとつでやる内容である。
だいたい学校鑑賞会なんてのは老舗の新劇(死後だけど)とか、
やたら教条的で「演劇は面白くないです」キャンペーン張ってる
ようにしか思えんもんばっかしだしなあ。
俺も小学生の時、鑑賞会で見せられたのが「大阪城の虎」って
芝居で、「世の中にこんなおもんないものあるんか」と思っただけ
で、「演劇」に対するダメな先入観、植え付けられただけだったもんな。
だけど学校のセンセってのは、とりあえず子供には
「教育上しっかりしたもの」見せときゃいいってくらいの考えで
鑑賞団体選んじゃう。
子供はいい迷惑だよ。
今時の子供、「ウソ」見抜くセンス、鋭いんだから。
今回のうちのネタは、タイトルが「ダンスでGO!」。
”売れない漫才コンビ、「ダンス・ダンス・ダンス」は、
自分たちのネタにダンスを加えて漫才コンクールに
出場しようと、とあるダンスチームのレッスンに参加する。
そこで出会ったダンサーは、自分自身のオーディションを
控え、イライラ気味。事あるごとにお互いが対立し・・・”
という内容。
こちら、漫才コンビ”ダンス・ダンス・ダンス”役の
濱口&村上。本番前にネタ合わせ。

芝居は40分ほどなんだけど、その前に20分、
ワークショップとして、劇中で踊るダンスの簡単な振付を
生徒たちに覚えてもらう。
芝居のクライマックスのオーディションシーンで、生徒たちにも
一緒に踊ってもらう演出にしているのだ。
とりあえず、このワークショップがいつも盛り上がる。
ただ私語厳禁でじっとマジメな芝居見せられるよりも、
ゲラゲラ笑いながら一緒に楽しんだ方が面白いに決まってる。
実際、生徒を一斉に立たせて踊らせたり、中の一人を舞台に
引っ張り上げたり、先生連れ出して踊らせたりしたら
大騒ぎになるし、ちょっと引っ込み思案だったり、自閉症気味
だったり、教室から出てウロウロしてそうな生徒だって
明るく必死で踊り出して、先生が驚いたりする。
ちょっとヤンチャそうな生徒でも、「キミにちょっとインタビュー
しましょう」つって、間違えたフリしてマイクで頭こづいてやる、
そういうベタなことしてやったら、それだけでめちゃくちゃ喜ぶもんな。
子供はねー。鋭いのよ。大人が決め付けるよりも、ずっと。
この長谷川小・中学校は、紹介文によると
「家庭的に厳しい環境におかれている生徒、
家庭環境に恵まれない児童らに対して
教育を行う学校」で、生徒たちは皆、寮生活である。
学校側からの依頼の中にも「作品中にも”家族”について
触れないで下さい」とあった。
実は、「ダンス・ダンス・ダンス」の漫才ネタの中に、当初
A「キミの家、大家族らしいな」
B「そうそう。お父さんの身長、5メートル」
A「そんなデカイ親おるかっ!!」
というのがあって、それは和歌山ではやったのだが、
長谷川小・中学校では
A「キミ、すごい彼女おるらしいな」
B「ええ、ものすごい女の子です」
A「どう凄いんや」
B「彼女、身長5メートル」
A「そんなデカイ女、おるかっ!!」
と、直前で変えたのである。
そんなの気にしなくってもいーじゃんかーと思いつつも。
ここの子達が一体、それぞれどういう「家庭的に厳しい環境」で、
どんなふうに「家庭的に恵まれない」のか、
まるっきり聞くこともしなかったんだけど。
みんな、一生懸命踊ってくれたし
芝居ではゲラゲラ笑って
さんざん、役者に声掛けてきて
そりゃーもー大盛り上がりだったよ。
全然、問題ない、すんごいいい子ちゃんばっかしよ。
濱口が又よせばいいのにアドリブで
「オレは・・マイケル・ジャクソンくらい踊れるように
なりたいんや!!」つったら、生徒たちが一斉に
「死んだで!!」ってさー。
いや、不謹慎なんだけどー。いいじゃん、こういうの。
なんだかんだで無事に終わらせて・・・。
控え室に帰ってみんな着替えてたら
先生が来られて「写真、お願いします!」。
もう、控え室の前に集まってくる集まってくる。

「金、返せ!!」と詰め寄られる主催者・・・ではない。
みんな、握手攻め。


中学1年生の女の子が来てくれて、
この子がなぜかやたらに泣きじゃくるんで
「なんで泣いてんの」って聞いたら
「楽しかったし、嬉しかったし、また来て欲しい・・・」
つって。
この子達、毎日毎日、ずっと学校と寮の間を
往復してるわけ。
ずっと、だって。ずっと。
いや、まー。
私も一応、人の親で。
いーかげんな浮き草稼業やっててー。
ハッキリ言って、「脚本家」なんか、あってもなくても
世の中どっちゃでもいい商売なんだ。
そーゆー人間が、仕事終わって子供に
こういうこと言われたらね。
一応、うちの子なんかはフラフラしてる親でも、
とりあえずは、いるんだから。
なんちゅうかね。
乱暴なこと言うけど。
大人なんかみんな、どうなったっていいんだよ。
死のうが踏み潰されようが、
大人なんか、どうだっていいんだ。
けど子供はー。
なんせ、どんな子でも
毎日笑って、機嫌よく過ごさせなきゃダメなんさ。
子供は、みんな笑って生かせてやってよ。
そんなうまくはいかないって、わかってんだけど・・・。
濱口、サイン攻め。

サキ、サイン攻め。

チョコ辰巳、サイン攻め。

帰りのタクシー前に追っかけ小学生。
出待ちよ、デマチ。普段の公演で見たことねーわ。

そんなこんなで。
久しぶりの学校公演、全部、無事終了。
また行けたらえーなと思います。
先生方、どうもありがとうございました。
また呼んでねー。